衛生管理者 有害業務・化学物質管理 3 — Questions and Answers
Question 1: 有害化学物質の生物学的モニタリングとは何か。
- 労働者の尿・血液・呼気等を検査して化学物質のばく露量や体内蓄積量を評価すること (Correct answer)
- 作業環境の空気中濃度を測定すること
- 化学物質の製造量を監視すること
- 化学物質の廃棄物量を記録すること
Correct answer: 労働者の尿・血液・呼気等を検査して化学物質のばく露量や体内蓄積量を評価すること
生物学的モニタリングは労働者の生体試料(尿・血液・呼気等)中の化学物質またはその代謝産物を測定して、個人ごとの実際のばく露量・体内蓄積量を評価する方法です。作業環境測定を補完します。
Question 2: 酸・アルカリによる化学熱傷(化学熱傷)において、アルカリのほうが酸より危険な理由として正しいものはどれか。
- アルカリは組織を液化壊死(溶解)させ深部への浸透が続くため(液化壊死) (Correct answer)
- アルカリのほうが常に高温である
- アルカリは必ず吸入中毒を引き起こす
- アルカリは皮膚に触れても痛みを感じないため
Correct answer: アルカリは組織を液化壊死(溶解)させ深部への浸透が続くため(液化壊死)
酸は組織タンパク質を凝固(凝固壊死)させ、凝固した組織が深部への浸透を止める効果があります。一方アルカリは液化壊死を起こし、壊死が深部へと進行し続けるため、より深く広範な損傷を引き起こします。
Question 3: 発がん性物質の区分において、IARC(国際がん研究機関)のグループ1として正しいものはどれか。
- ヒトに対する発がん性が確認されている物質 (Correct answer)
- 動物に対してのみ発がん性が確認されている物質
- 発がん性の証拠が不十分な物質
- 発がん性がないと確認されている物質
Correct answer: ヒトに対する発がん性が確認されている物質
IARCの発がん性分類ではグループ1がヒトへの発がん性が確認されている物質(石綿・ベンゼン・ジクロロメタン等)、グループ2Aが恐らく発がん性がある、グループ2Bが発がん性の可能性がある、グループ3が分類不能です。
Question 4: 塩素ガスの急性中毒症状として正しいものはどれか。
- 強烈な刺激臭・目・鼻・気道の激しい刺激症状、高濃度では肺水腫 (Correct answer)
- 無症状での意識消失
- 皮膚の黄染(黄疸)
- 血糖値の急上昇
Correct answer: 強烈な刺激臭・目・鼻・気道の激しい刺激症状、高濃度では肺水腫
塩素ガスは強い刺激臭(プール臭の強いもの)があり、眼・鼻・口・気道への強烈な刺激症状(灼熱感・咳嗽・喘鳴)を引き起こします。高濃度では化学性肺水腫・呼吸不全により死亡することがあります。
Question 5: 化学物質の皮膚感作(アレルギー性接触皮膚炎)の発症過程として正しいものはどれか。
- 初回接触で感作が成立し、再接触時にアレルギー反応が発症する (Correct answer)
- 初回接触から即座にアレルギー反応が起こる
- 感作は成立しないため何度接触しても安全
- 感作後は自然に消失する
Correct answer: 初回接触で感作が成立し、再接触時にアレルギー反応が発症する
アレルギー性接触皮膚炎は①感作期:化学物質(ハプテン)が皮膚から吸収され免疫系が感作される(初回接触、症状なし)→②誘発期:再接触でT細胞が活性化→炎症反応(皮膚炎)という2段階で発症します。
Question 6: 溶接ヒュームの健康影響として最も重要なものはどれか。
- 鉄、マンガン、クロム、ニッケル等の金属ヒュームによる肺障害・中枢神経障害・発がんリスク (Correct answer)
- 溶接ヒュームは健康に無害
- 主に騒音による聴力障害
- 主に紫外線による日焼けのみ
Correct answer: 鉄、マンガン、クロム、ニッケル等の金属ヒュームによる肺障害・中枢神経障害・発がんリスク
溶接ヒュームは溶接母材・溶接棒の種類に応じて鉄・マンガン・クロム(六価)・ニッケル等の金属微粒子を含み、吸入により肺障害(鉄肺・スウェルダー肺等)、マンガン中毒(神経症状)、発がん(六価クロム・ニッケル)のリスクがあります。2021年から特定化学物質に追加指定されました。
有害化学物質の生物学的モニタリングとは何か。